2023/11/13

労働条件通知書(有期雇用向け)

無期雇用向けにつづき有期雇用の労働条件通知書記入例です。厚生労働省サイトに通知書見本が掲載されていますが、無期有期兼用になっています。有期雇用ならではの記載項目が圧倒的に多いものの、本来の有期雇用と、定年後再雇用の有期雇用とは峻別して記入する項目がいくつかあります。そこで、有期向け項目のうち定年後再雇用それ以外とにわけて記載例を作ってみました。振り分けの正確性は保証しません。

なお、有期雇用においては更新する場合も、更新を決める都度、交付書面を作成しての交付となります。あとの注意点は無期雇用向け冒頭で書いた記事のとおりです。下記記載例で、空欄としている箇所は、無期雇用向けを参照ください。【重要】記載項目間の整合性はとっていませんので、新規採用、継続雇用、更新時等状況に応じ書き換えてください。

凡例
 記載は任意
白文字パート・有期雇用では記載必須項目
赤文字有期雇用では記載必須項目
 令和6年4月からの記載必須項目
灰色文字記載にかえて何らかの明示をすればよい項目

定年後再雇用向け

労働条件通知書
交付日      
           殿
雇用主      
職氏名      
契約期間期間の定めあり 〇年〇月〇日~〇年〇月〇日
更新の有無□更新しない、□更新する場合がある、□自動更新
更新判断基準(上記、更新する場合あり、自動更新の場合)
□契約満了時の業務量、□従事業務の進捗状況、□勤務成績、態度、□遂行能力、□会社経営状況、□その他(       )
更新の上限あり(70歳誕生月末まで)
(労働局認定ある場合)〇〇労働局第二種計画認定を受けたことにより、定年後引き続いて雇用されている期間中、無期転換申込権が発生しません。
(認定受けてない場合で本契約に5年超の部分がある場合)本契約期間中に会社に対して期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをすることにより、本契約期間の末日の翌日( 年 月 日)から、無期労働契約での雇用に転換することができます。無期転換した場合の転換後の労働条件の変更の有無(□無 ・□有り(       ))
(認定なく本契約に5年超の部分もない場合)労働契約法第18条の規定により、有期労働契約(平成25年4月1日以降に開始するもの)の契約期間が通算5年を超える場合には、労働契約の期間の末日までに労働者から申込みをすることにより、当該労働契約の期間の末日の翌日から期間の定めのない労働契約に転換されます。
就業場所雇入れ時本社営業部法人営業課
変更の範囲本社営業部内
従事業務雇入れ時法人営業および営業事務
変更の範囲なし
就業時間等始業・終業時刻 
休憩時間 
所定時間外労働 
休日 
休暇年次有給休暇定年時の勤続年数、保有数を引き継ぎます。
時間単位年次有給休暇(あり)
代替休暇 
その他休暇 
◎詳細は就業規則〇条参照
賃金基本給 
諸手当 
所定外賃金 
賃金締日 
支払日 
賃金支払方法 
昇給あり(毎年4月10月、給与等級表による)
賞与あり(毎年6月12月、年平均2.2カ月(昨年実績))
考査期間により実施
退職金社内制度(なし)
中小企業退職金共済(なし)、企業年金制度(なし)
労使協定による支払賃金からの控除(あり)
退職に関する事項定年制なし
継続雇用制度あり(70歳まで)
創業支援等□なし、□あり(  歳まで       )
自己都合退職の手続き(2週前に届け出る)
解雇事由及び手続き(就業規則参照)
◎詳細は就業規則第〇章参照
労働者負担に関する項目 
安全衛生に関する項目 
職業訓練に関する項目 
災害補償及び業務外傷病に関する項目 
表彰制裁に関する項目 
休職制度 
その他社会保険適用(雇用保険(有)、健康保険(有)、厚生年金(有))
雇用管理の改善に関する相談窓口(総務部長)
その他詳細は就業規則による
就業規則の周知方法配付PCより社内LANにて閲覧
参考サイト(厚生労働省)
令和6年4月労働条件明示の改正ルール
第二種計画認定について

その他の有期雇用向け

労働条件通知書
交付日      
           殿
雇用主      
職氏名      
契約期間期間の定めあり 〇年〇月〇日~〇年〇月〇日
更新の有無□更新しない、□更新する場合がある、□自動更新
更新判断基準(上記、更新する場合あり、自動更新の場合)
□契約満了時の業務量、□従事業務の進捗状況、□勤務成績、態度、□遂行能力、□会社経営状況、□その他(       )
更新の上限あり(通算5年まで)
(本契約に5年超の部分がある場合)本契約期間中に会社に対して期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをすることにより、本契約期間の末日の翌日( 年 月 日)から、無期労働契約での雇用に転換することができます。無期転換した場合の転換後の労働条件の変更の有無(□無 ・□有り(       ))
(本契約に5年超の部分がない場合)労働契約法第18条の規定により、有期労働契約(平成25年4月1日以降に開始するもの)の契約期間が通算5年を超える場合には、労働契約の期間の末日までに労働者から申込みをすることにより、当該労働契約の期間の末日の翌日から期間の定めのない労働契約に転換されます。
就業場所雇入れ時本社営業部法人営業課
変更の範囲本社および県内支店営業所
従事業務雇入れ時法人営業および営業事務
変更の範囲上記に加え官庁営業、個人営業
就業時間等始業・終業時刻 
休憩時間 
所定時間外労働 
休日 
休暇年次有給休暇 
代替休暇 
その他休暇 
◎詳細は就業規則〇条参照
賃金基本給 
諸手当 
所定外賃金 
賃金締日 
支払日 
賃金支払方法 
昇給あり(毎年4月10月、給与等級表による)
賞与あり(毎年6月12月、年平均2.2カ月(昨年実績))
考査期間により実施
退職金社内制度(なし)
中小企業退職金共済(なし)、企業年金制度(なし)
労使協定による支払賃金からの控除(あり)
退職に関する事項定年制なし
継続雇用制度なし
自己都合退職の手続き(2週前に届け出る)
解雇事由及び手続き(就業規則参照)
◎詳細は就業規則第〇章参照
労働者負担に関する項目 
安全衛生に関する項目 
職業訓練に関する項目 
災害補償及び業務外傷病に関する項目 
表彰制裁に関する項目 
休職制度 
その他社会保険適用(雇用保険(有)、健康保険(有)、厚生年金(有))
雇用管理の改善に関する相談窓口(総務部長)
その他詳細は就業規則による
就業規則の周知方法配付PCより社内LANにて閲覧

(2023年11月15日投稿、2023年12月1日編集)

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2023/11/01

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無期雇用の労働条件通知書記入例です。厚生労働省サイトに通知書見本が掲載されていますが、無期有期兼用になっています。有期雇用ならではの記載項目が圧倒的に増え続けたため、それを載せなくてよい無期雇用向けが見えなくなっています。そこで、有期向け項目をそぎ落とし無期雇用に特化した記載例をアレンジしてみました。

労働基準法15条1項に定められた雇入れ時交付書面のことですが、法令項目が網羅されていれば、表題は雇用契約書、労働条件通知書、雇入れ通知書等なんでもかまいません。枠組みも自在。なんだったら適用する部分にアンダーライン引いた就業規則の交付でもOKです(その場合は雇い主と宛名の表示、雇い入れる旨の文言の書き添え必要でしょう。)。いずれであれ入社時に交付では遅く、雇うと意思表示した段階で労働者の手に渡っていなければなりません。いわゆる内定通知書も雇う意思をもって交付なら該当しますので、法令項目網羅してあるかです。また網羅するところ「詳細は就業規則参照」と記載した場合は、就業規則も通知書とあわせて交付書面になります。

凡例
 記載は任意
白文字パート・有期雇用では記載必須項目、無期のパートなら必須
 令和6年4月からの記載必須項目
灰色文字記載にかえて何らかの明示をすればよい項目
労働条件通知書
交付日      
           殿
雇用主      
職氏名      
契約期間期間の定めなし 入社日 〇年〇月〇日
(試用期間 入社後3カ月、試用期間後の労働条件の変更:なし)
就業場所雇入れ時本社営業部法人営業課
変更の範囲本社ほか、全国支店営業所
従事業務雇入れ時法人営業および営業事務
変更の範囲営業全般(官庁営業、個人営業を含む)
就業時間等始業・終業時刻午前8時45分~午後5時15分(所定7時間30分労働)※
休憩時間正午から60分
所定時間外労働あり(月平均5時間程度)
休日毎週日曜土曜日、国民の祝日、春季夏季年末年始年等10日前後
◎詳細は就業規則〇条参照
休暇年次有給休暇入社時5日付与、勤続6か月5日付与
時間単位年次有給休暇(あり)
代替休暇なし
その他休暇リフレッシュ休暇(有給)ほか
◎詳細は就業規則〇条参照
賃金基本給月給    円
諸手当歩合給   円~ (計算方法:過去3カ月売上実績に応じて毎月支給
所定外賃金時間外/法定超 月60時間以内:25% 60時間超:50%
休日労働 法定休日:35% 深夜:25%付加
賃金締日月末日
支払日当月25日
賃金支払方法希望する銀行口座への振り込み
昇給あり(毎年4月10月、給与等級表による)
賞与あり(毎年6月12月、年平均4.5カ月(昨年実績))
考査期間により実施
退職金あり(勤続1年以上、退職金規定による)
労使協定による支払賃金からの控除(あり)
退職に関する事項定年制あり(60歳定年)
継続雇用制度あり(70歳まで)
創業支援等□なし、□あり(  歳まで       )
自己都合退職の手続き(2週前に届け出る)
解雇事由及び手続き(就業規則参照)
◎詳細は就業規則第 章参照
労働者負担に関する項目なし
安全衛生に関する項目安全衛生委員会(あり)労働安全衛生規定参照
職業訓練に関する項目就業規則参照
災害補償及び業務外傷病に関する項目労災上乗せ補償、疾病見舞金あり
表彰制裁に関する項目就業規則参照
休職制度あり(休職規定参照)
その他社会保険関係(雇用保険、健康保険、厚生年金 完備)入社時から適用
雇用改善相談窓口:総務部長
その他詳細は就業規則による
就業規則の周知方法配付PCより社内LANにて閲覧

※:シフト制、変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制といった勤務体系をとる場合は、厚労省記入例にならい、詳細に記載しなければなりません。


(2023年11月1日投稿、2023年12月1日編集)

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