2023/07/15

雇用保険制度の沿革

1947年(昭和22年) 失業者の生活の安定を目的として、「失業保険法」(昭和22年法律第146号)制定。その中に、失業保険制度をが創設。
1974年(昭和49年) 失業者の生活の安定、および三事業(雇用改善事業、能力開発事業、雇用福祉事業)を目的として、「雇用保険法」(昭和49年法律第116号)が制定され、失業保険法を廃止。失業保険制度に代わって雇用保険制度創設。労働保険の保険料の徴収等に関する法律が制定され、保険料の徴収手続きが労災保険と一本化。
1977年(昭和52年) 雇用安定事業が規定され、三事業は四事業となった。
1989年(平成元年) 雇用改善事業が雇用安定事業に統合され、四事業は再び三事業となった。
1994年(平成6年) 高年齢雇用継続給付の創設、育児休業給付制度の創設。
1998年(平成10年) 教育訓練給付制度の創設、介護休業給付制度の創設。
2003年(平成15年) 就職促進手当の創設、通常労働者と短時間労働者の給付内容の一本化。
2005年(平17.3.31)一般保険料料額表の廃止
2007年(平成19年) 雇用福祉事業が廃止され、三事業は二事業となった。被保険者および受給資格要件の一本化(短時間被保険者という区分を無くし、一般被保険者に一本化)。
2009年(平成21年) 特定理由離職者区分の創設。
2010年(平成22年) 船員保険の失業部門を切り離し、雇用保険に統合。
2017年(平成29年) 1月から65歳以上も、雇用保険への加入義務づけ、それまでは、65歳前から雇用され引き続き65歳に達した以後雇用されている者を対象とした「高年齢継続被保険者」として扱われていた。雇用保険料の支払いはひきつづき免除。
特定受給資格者の基準を見直し(被保険者期間12カ月から6か月に短縮等)
2020年(令和2年)4月から雇用保険料免除の措置がなくなり、65歳以上の従業員でも、雇用保険料の納付が必要。これまでは、毎年4月以降に64歳以上が労使とも免除。被保険者期間の算定にあたり、月間日数だけでなく、労働時間による基準を補完的に設定(令和2年8月施行)。65歳以上のマルチジョブホルダーの創設(令和4年1月施行)
10月から、自己都合退職者の給付制限3か月から原則2か月に短縮。
 雇用期間所定労働時間年収要件
昭和50年~反復継続して就労通常の労働者3/4以上かつ週22時間以上年収52万円以上
平成元年~1年以上雇用見込み週22時間以上年収90万円以上
平成6年~1年以上雇用見込み週20時間以上年収90万円以上
平成13年~1年以上雇用見込み週20時間以上年収要件撤廃
平成21年~6か月以上雇用見込み週20時間以上
平成22年~31日以上雇用見込み週20時間以上

注:ほうぼうからの寄せ集めです。正確性は保証できません。

(2023年7月15日投稿、2024年5月14日編集)

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育児休業給付金の計算 

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特定受給資格者、特定理由離職者 

高年齢雇用継続給付金 

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2023/07/09

社保拡大適用

将来見返すときに備えてのメモです。

根拠法

公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金機能強化法)

対象企業
501人以上2016年10月から
101人以上2022年10月から
51人以上2024年10月から

従業員のカウントは、同一法人番号にて雇用される厚生年金被保険者数(週所定労働時間が正規の3/4以上)、個人事業は事業所ごと。

閾値にある企業は、過去1年間に6カ月上回る場合に適用。

特定適用事業所以外の事業所が、対象労働者の過半数同意をもって任意特定適用事業所となることができる。 特定適用事業所が、閾値を下回っても特定適用事業所とするが、被保険者の4分の3以上の同意とりつけ申出で、該当しないものとして取り扱い可。任意特定適用事業所も同様。

対象労働者

被保険者でない短時間労働者が、下記4条件すべてあてはまる労働者を対象とする。

週所定労働時間が20時間以上30時間未満※1
月額賃金は8万8千円以上※1
2か月を超える雇用見込み(2022年9月までは1年見込み)※2
昼間学生でない(卒業見込みで卒業前に就職、休学中を除く)

※1:契約上から導かれる理論値。臨時に払われる賃金、時間外休日深夜割増 精勤、通勤、家族手当を含まない一方、資格取得時の標準報酬月額は、残業代、通勤交通費等を含んだ額で算定。契約時間は、実績時間が2カ月連続して該当する場合は、3カ月目から対象。

月等で所定労働時間を定めている12倍して52週で除す
特定の月で例外的な長短がある特定の月を除いて判断
年単位で所定労働時間を定めている52週で除す
週所定労働時間が短期的周期的に変動加重平均で算定

※2:2カ月以内契約でも、更新する場合がある、同様の契約で更新されている場合は、当初から対象とします。従前は、正規の3/4時間で2か月以内契約は、更新してからの資格取得。

(2023年7月9日投稿、2023年10月14日編集)

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社会保険拡大適用・いくら余分に働けばいい? 



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2023/07/01

裁量労働制の失効

2024年4月に労基法施行規則を改正する形で、裁量労働制が改正されます(専門型、企画型共に)。パンフでは、はっきり失効するとは書かれてはいませんが、施行前の2024年3月までに、新規・継続問わず労使協定締結して(継続は締結しなおして)、届け出るように呼びかけています。

専門職型でいえば、

  • 本人に同意を取り付けること
  • 同意が得られなかった場合、不利益取り扱いをしないこと
  • 同意撤回の手続き方法
  • 記録保管の追加として、同意と同意撤回の記録(協定有効期間中と期間満了後5年 (当面3年))

を協定に追加記載して、締結手続きをとることになります。企画型は上に加えてさらに追加の協定事項があります。

移行措置や、Q&Aがでてみないと、わからないところもありますが、協定にもりこむのですから、現行協定を2024年4月以降継続させるには、協定締結しなおしとともに対象労働者から個別に同意取り付けも要するということです。締結しなおしてない、個別同意取り付けてないということは、施行日以降、裁量制で働く対象労働者はいない、通常の労働時間制で働く労働者だけということになりかねません。

追補

2023年8月2日付けで出た通達に記載されていました。現行のまま、協定締結しなおさない場合、令和6年4月1日をもって無効となります。追加された協定事項を盛り込んだ協定をあらためて締結しなおしとなります。これは来年4月1日発効を条件に、3月31日以前に締結可能としています。また個々の労働者からの同意取り付けも同様に必要になり、有効期間ごとに取り付け、その証憑の保管は協定有効期間とその後5年(当分3年)となります。

関連サイト
厚生労働省 裁量労働制の概要
裁量労働制改正パンフ

(2023年7月1日投稿、2023年11月3日編集)

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