2022/09/25

労働局の就業規則案内

就業規則を作成したら、意見書をつけて管轄の労働基準監督署に届け出る義務があります(労働者10人以上の事業所ごと)。就業規則の変更も届け出となりますが、変更が「ほんの一部」にとどまった場合の手続き案内がどうなっているか、各労働局ホームページを探査することにしました。そのリストです。地元労働局へは管轄労基署の所在を調べ、届け出手順については、他の労働局も参考にしてください。

労働局名特記事項
北海道労働局就業規則のページ優良な手続き案内あり
青森労働局就業規則のページ労務管理の留意点
岩手労働局就業規則のページQ&A
宮城労働局就業規則のページ解説パンフ
秋田労働局就業規則のページ作成の手引き
山形労働局就業規則のページ 
福島労働局就業規則のページ 
茨城労働局就業規則のページ解説ページ
栃木労働局就業規則のページ解説ページ
群馬労働局就業規則のページ 
埼玉労働局就業規則のページ 
千葉労働局就業規則のページ意見書記載例
東京労働局就業規則のページ作成手引き(届出書、意見書の見本あり)
Q&A
神奈川労働局就業規則のページ 
新潟労働局就業規則のページ 
富山労働局就業規則のページ作成解説パンフ
石川労働局就業規則のページQ&A手引き
福井労働局就業規則のページ標準型の表紙・意見書ながら使用を推奨しています
作成ハンドブック
山梨労働局就業規則のページQ&A
長野労働局就業規則のページ周知義務についてのパンフあり
Q&A
岐阜労働局就業規則のページ 
静岡労働局就業規則のページ 
愛知労働局就業規則のページ作成の手引き
三重労働局就業規則のページ 
滋賀労働局就業規則のページ派遣元就業規則パンフ(厚労省HPへリンク)
京都労働局就業規則のページ届け出手引き中に、手続き案内あり
大阪労働局就業規則のページ 
兵庫労働局就業規則のページ 
奈良労働局就業規則のページ 
和歌山労働局就業規則のページ独自様式(意見書と1枚もの)あり
鳥取労働局就業規則のページ就業規則見直し啓蒙パンフ
島根労働局就業規則のページ 
岡山労働局就業規則のページ手続き案内あり
広島労働局就業規則のページ優良な手続き案内あり
山口労働局就業規則のページ 
徳島労働局就業規則のページ完全独自な届出表紙(意見書と1枚もの)あり
香川労働局就業規則のページ 
愛媛労働局就業規則のページ 
高知労働局就業規則のページ
福岡労働局就業規則のページ中小企業判断のための添付資料(添付要請)あり
佐賀労働局就業規則のページ完全独自の届出書(意見書と1枚もの)
長崎労働局就業規則のページ 
熊本労働局就業規則のページ 
大分労働局就業規則のページ作成周知のポイントパンフあり
宮崎労働局就業規則のページQ&A
鹿児島労働局就業規則のページ福岡労働局へリンク(別添書類添付を要請、中小企業判断のため)
Q&A
沖縄労働局就業規則のページ作成についての解説ページ

さて探索目的の「ほんの一部変更手続き」への言及は、東京労働局および長野労働局(Q1)ページ、石川労働局および富山労働局提供パンフ(ポイント8)にありました。ただショックだったのは、就業規則制定または変更して届出る手続き案内を載せている労働局はごく少数でした。今後に期待しましょう。

調査期間は2022(令和4)年10月中旬、今後特記事項があれば更新していく予定です。

労働局関係者様

あらためて各局のトップページから検索してみました。特記事項ブランクな労働局様におかれましては、せめて北海道労働局ページレベルの案内作成をお願い申し上げます。

(2022年9月25日投稿、2022年10月12日編集)

関連項目

就業規則案内見本 

労働者過半数代表 

就業規則制定(変更)届 

新設の社内規定は、就業規則の一部なのか 

2022/09/01

フレックスタイム制と完全週休二日制

先の働き方改革法でフレックスタイム制といえば1カ月以内だったのが、1か月を超え3カ月を清算期間とするフレックスタイム制も可能となりました。

それとは別に、週休二日制のフレックスタイム制における弱点を補正する制度が、労使協定締結を条件に導入されています。それまでの通達運用で認めていたのを、法制化したのでした。

フレックスタイム制も変形労働時間制の一種で、たとえば月の実労働時間の累計が、暦日数の30日の月なら

暦日数から求まる法定上限:
 40時間×30日÷7日=171.42…(171時間25分)

をこえるところから時間外労働扱いになります。日々の出退時刻を労働者に任せるのと引き換えに、日の法定労働時間超えを時間外労働扱いしなくてよいとするのが、フレックスタイム制の肝です。ところが、祝日休のない6月のように、曜日の巡りによっては、ふつうの完全週休二日制で時間どおり働く分は時間外労働が生じないのに、フレックスタイム制で所定労働日を毎日8時間働くと、時間外労働が生じてしまいます。

2022年6月を例にあげてみましょう。水曜始まりで土日を休日とする完全週休二日制にして22所定労働日あり、完全週休二日制にて毎日8時間働くと

22×8=176時間
176時間ー171時間25分=4時間35分

フレックスだからという理由だけで法定総枠との差4時間35分に割増賃金つけるという不合理が生じます。そこで完全週休二日制を条件に労使協定を結べば、月(清算期間)の所定労働日数、上の例では22日×8時間=176時間をもって、その清算期間の法定労働時間に置き換えることを認めます。

ところがこれに関する説明がパンフにひととおりあるだけで、通達やQ&Aに見当たりません。なかには、導入理由から「清算期間の暦日数からもとまる法定労働時間」と、「同期間の所定労働日数の8時間倍」のどちらか長いほう、という運用がとなえられているようです。

暦日数法定総枠
(a)
所定
労働日数
(例:c)
法定総枠
(b)
c×8
a,bどちらか
多いほう
1月31日177.14時間21日168時間177.14時間
2月28日160時間20日160時間160時間
3月31日177.14時間23日184時間184時間
4月30日171.42時間21日168時間171.42時間
5月31日177.14時間22日176時間177.14時間
6月30日171.42時間22日176時間176時間
7月31日177.14時間21日168時間177.14時間
8月31日177.14時間23日184時間184時間
9月30日171.42時間22日176時間176時間
10月31日177.14時間21日168時間177.14時間
11月30日171.42時間22日176時間176時間
12月31日177.14時間22日176時間177.14時間
合計365日2085.71時間260日2080時間2113.14時間

完全週休二日制における法定労働時間の累計:
(365日-105日)×8時間=2080時間

それを認めてしまうと、年間約30時間(=2113-2085)※も時間外労働を、時間外労働としなくてもよいことになり、法規制強化の逸脱となります。

祝日休のある週の第3日休日は、所定労働日に含めていいのかという問いに、通達は詳しく解説してくれてませんが、祝日休のあるフレックスでない完全週休二日制とパラレルという考えにあわせれば、その休日は休日として数えることになるでしょう。以上のことから、所定労働日数の整数倍がその月の法定労働時間に置き換えられるということになります。もっとも祝日休に働きにでても、8時間こえなければ、週40時間におさまるので、しっくりこないところはあります。

完全週休2日制でありさえすればいいので、休日が毎週土日固定でなくともよく、今年の6月ような水曜始まりで、所定24日の8時間倍192時間ということもありえます(6月第1週の2休は5月最終週に、6月最終週の2休は7月第1週に配することで完全週休二日制遵守。)。このケースで※試算したところ年40時間の差が出ました。

なお、通達時代から変わらないように、フレックスタイム制だけに認められた制度ですので、同じことが起こるからと言え完全週休二日制の変形労働時間制(1カ月単位)には適用されません。

労働基準法第32条の3第3項意訳
一週間の所定労働日数が五日の労働者について第一項の規定により労働させる場合における同項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「第三十二条第一項の労働時間」とあるのは「第三十二条第一項の労働時間(当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、労働時間の限度について、当該清算期間における所定労働日数を同条第二項の労働時間に乗じて得た時間とする旨を定めたときは、当該清算期間における日数を七で除して得た数をもつてその時間を除して得た時間)」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。1週間を完全週休二日制のフレックスタイム制(清算期間3カ月ものも含む)にて就労させる労働者については、締結する労使協定により、労働時間の限度について清算期間中の所定労働日数を8時間倍した時間数(※1)をもってすると協定に定めたときは、法定労働時間週40時間とあるのは、その清算期間の暦日数を7で除した数(※2)をもって※1を割った時間(※3)とする。

※1:(例)23日×8時間=184時間 (月枠171時間25分のかわり)
※2:30÷7=4.2857…(清算期間の週数)
※3:184時間÷4.2857…=42.93…時間(法定労働時間週40時間のかわり)

(2022年9月1日投稿)

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